PERIOD INDEX

俺――天宮光樹は日々健全に、二度と還らない青春を浪費していた。

授業をさぼり、馬鹿な友人と馬鹿な会話に花をさかせ、
テストではそこそこの点数を取る。

何の発展性も無い、しかし問題もない、気楽でそこそこ楽しい学園生活。

口うるさい幼馴染み、朝姫や健気な委員長の弥月美由に諭され
気の置けない悪友の葵にからかわれながらも
心地よい怠惰な日々をうまく安穏と過ごしていく。

…はずだった。

”――天宮光樹さん、放課後生徒会室まで来て下さい”

やっかいゴトのはじまりはこんな校内放送。

今になって思う。

あの時俺は、本当に嫌だったのだろうか。…それとも望んでいたのだろうか？

無茶な要求をしてくる前生徒会長の先輩
健気すぎて放っておけない”天使”
小さくて凶暴な文学少女の女の子

巻き込まれたくなかったはずなのに。
面倒な事は嫌いなのに。
熱くなったり、真剣になったりするのは苦手なのに。

なぜなら俺は知っている。

どれだけ一生懸命になったって、努力したって何も手に入らない
無駄な努力ならしないほうがましなんだってことを。

なのに。

…いつの間にか…。

そう、いつの間にか。


手を伸ばせば届きそうな所に、それはあって――。

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